看護労働の根本を支える入院基本料は10年度の診療報酬改定で「15対1」のみ引き下げられた。過疎に近い地域で看護師確保が難しい「15対1」の病院は、今後、収益が悪化し淘汰される懸念がある。日本医師会総合政策研究機構は10年6月に「自治体病院の入院基本料別経営分析」を発表。同分析では、「15対1」の自治体病院は投入している労働量に比べ不採算医療を担うため、診療報酬上の評価が低いと言及。中央社会保険医療協議会(中医協)では「15対1」は慢性期と認識されつつあるが、「15対1」しかとれない地方の病院では、重症患者や看護必要度の高い患者を受け入れている事実もあり、少なくても今後の療養病床などの在り方がきちんと示されるまで、淘汰させてはならないと警告している。また、診療報酬は全体的に病院から地域へ、在宅医療へという流れができつつあり、退院を促す加算が拡充され、急性期病院には手厚くなった。しかし実態は急性期病院の在院日数が短いほど点数が高くなるため、急性期の現場には重症患者のみが行き、亜急性期や慢性期、さらには福祉、在宅のなかに、治りきらない患者が放り出される現象を招き、患者の不幸とともに看護師への負担が高まっている。受け皿となる慢性期や訪問看護の点数は不十分なままだ。手術室や外来の看護師にはそもそも保険点数がつかないため、経営を考えると、そうした点数のつかない部署への人員配置が手薄くなり、外来看護師のパート化か進み、無資格者が看護師の役割を果たすようになるなど、課題が山積みだ。
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