とくに社会人の場合は、理解が記憶力アップや勉強意欲維持のカギになるからだ。資格試験の世界でも、人気予備校の名物講師の講義は目から鱗が落ちることが多いらしい。わかる授業を聞き、わかりやすいテキストを使えば、過去問から勉強をやり直すのもはるかに容易になるはずだ。もちろん、最近は、そのような講義のビデオやCD−ROMも出ているようだが、予備校に通うもう一つのメリットは受験仲間ができることだ。社会人の場合、受験は孤独なものになりがちだが、似たような立場で受験する仲間が一人でもいると、ずいぶんやる気もちがってくるし、その人と支えあう関係になれれば、精神的にも楽になる。こればかりは、会社の同僚にわかってもらえる種類のものではないので、同じ境遇の仲間の存在は大きい。また、いろいろな情報もそこから入ってくるかもしれない。そのほか、記憶術であれ、スケジュール作り(一週間の予定勉強量を五で割る)であれ、勉強法が通じる。
直前対策期には「膨大な宿題に埋もれて寝る暇がない」「学校を休んで塾の宿題をやる」などの話も聞きます。こうした常軌を逸した宿題の大部分は塾や講師のつごうから課されるのです。たとえば授業進度が予定より遅れて回復不能な場合、遅れをとりもどすために未終了部分が宿題にされることがあります。また成績不振者や不合格者からのクレームに備えた防衛策(「宿題をやっていないのですから……」という言い訳)として、承知のうえで実行困難な宿題が課される場合もあります。そこで宿題には必ず親が目をとおし、「やらせる価値がある宿題か?」を確認しなければなりません。宿題点検には子供の理解度とともにこの点を確認する意味もあるのです。
外国の大学に留学しても、英語で出題されるペーパーテストで大変優秀な成績を収めます。また、外国支社に派遣されて、仕事におけるビジネス英語については得意であり、文書や契約書がよく書けるなど、外国における知的な実務能力においては、きわめて有能だったということができます。単に英語をしゃべるという点では、外国では知的素養はあまり必要とされていません。単純労働なら、小学校レベルの英語で十分です。それが複雑な業務になると読み書きの素養が威力を発揮し、高い評価を受けるのです。つまり、英語がしゃべれるだけでは単純労働にしかつけず、複雑なビジネスの世界では雇ってもらえないのです。その意味では、海外に出て即戦力として役に立ったという意味で、読み書き中心の日本式英語教育は、もっともっと評価されていいと思います。